商品説明

商品名:ベンチャースピリットの研究―ケーススタディー三洋電...
価格:1,680円
販売元:NTT出版
?「三洋電機を取り上げた本は少ない。それはなぜか。答えは簡単である。地味な企業だからだ」
???本書のあとがきで、著者はこう述べている。確かに三洋電機は、同じ戦後の「焼け跡派ベンチャー」ソニーやホンダに比べ、一般消費者・投資家の目からは地味に見える。だが、OEMという形式のため、表舞台からは隠れて見えないが、デジタルカメラ、液晶データプロジェクター、光ピックアップ、CD-R/RW用LSIなどの生産台数は世界でNo.1のシェアを誇っている。さらに最近では、自社ブランドで売り出した「洗剤のいらない洗濯機」(洗剤ゼロコース付き洗濯機)なども話題を呼んでいる。 <p>???本書は、その三洋電機を取り上げたものとして貴重な1冊である。長年優良企業だった同企業の株が2000年に至るまでずっと低位株で、IRを強化した2000年に株価が倍に跳ね上がったことからも、世間の認知度の低さをうががうことができるが、その実態はベンチャースピリットあふれるユニークなIT系グローバル企業である。ソニー、ホンダ、シャープといった派手なブランドを持つ企業との比較や、経営者へのインタビュー、同社の歴史的経緯といった視点から三洋電機の素顔を明らかにした点が、本書の最大の魅力であろう。 <p>???なかでも、紙幅の多くを費やした創業者・井植歳男にまつわるエピソードは楽しく読める。兄貴分である松下幸之助から独立したときのエピソードやユニークな民間外交を展開したアメリカでの話、洗濯機の開発物語などは、単なる企業研究ものではない読み物としての本書の価値を高めている。 <p>?「ベンチャースピリット」という形のないものをテーマとしていることや、著者の分析・批判に主観が大きく反映されていることが本書の評価を難しくしているが、読み物としては秀逸である。経営書の常連企業にはない経営哲学やエピソードに触れられるよい機会になるだろう。(土井英司)